なんちゃって課長日記

自殺した父、認知症の母、社会的入院中の妹を持つ介護離職者の生活とその周辺

殯の森 (2007,日本、フランス)


シネ・ヌーヴォで鑑賞。
年間ベスト候補作品です。
『私は生きているんですか?』主人公しげきの最初のセリフにドタマカチワラレルレベルの衝撃を受ける。60歳の新人俳優うだしげきが演じる70歳の認知症のしげき。これが演技なのか?果てしなくリアルでドキュメンタリー映画と云われても何の違和感も感じない程である。川瀬監督とは居酒屋で偶然出会ったとの事だが、映画の神様が二人を運命的に出会わせたんだと俺は思う。
もう一人の主人公真千子を演じる尾野真千子は、10年前の萌の朱雀で高校生だった頃の面影が全く残ってないのがちょっと残念。でも話し方と云うか発声は10年前の彼女と同じでした。鉄砲水に襲われる中『行ったらあかん、行ったらあかん』半狂乱で泣き叫ぶ彼女の姿は、息子を亡くした原因が水の事故だと判らせるに十分だった。(そうだよね?)
ダンスを踊るしげきと真子、それを見る真千子。真千子には真子の姿が見えていたんだと思う。
ラストシーン、15分位の長回し。しげきが真子の墓を愛おしそうに触れるところで涙が出た。33年の時間を越えて二人が再会し、しげきが真子が眠る土の中で自分も眠りにつく。そのそばで真千子も息子を見送るように空にオルゴールを差し上げる。(あ〜だめだ、書きながらまた泣けて来た)
死ぬ事は何も怖い事じゃない、本当に怖い事は誰の心の中にも自分がいなくなる事だ。この映画で一番幸せなのは真子だと思います。
殯の森(もがりのもり)公式ホームページ <河瀬直美監督最新作> mogarinomori top page by Naomi KAWASE