なんちゃって課長日記

社会的入院中の妹を持つきょうだい爺の生活とその周辺

人が人を愛することのどうしようもなさ (2007,日本)


千日前国際シネマで鑑賞。
主演の土屋名美を演じる喜多嶋舞の冒頭から激しい性的な拷問シーンに圧倒される。喜多嶋舞はこの先の女優人生は大丈夫なのかと心配になるくらいエロティックな演技を魅せてくれます。圧巻は電車の中で向かいに座ったカップルに大股開きしてみせるシーンで、電車のシートに浅く腰掛けて180度大開脚で体をくねらせながら口紅を引く唇がエロいことエロいこと。
ところで物語が進むうちに、もう一人の主役である村木が出て来ないのでだんだん不安になってくる。石井隆監督の名美の物語には相手役は村木と決まっているのだが、この映画では恐らく観客に誰が村木か最後まで隠したかったので岡野という名前にしていると思われる。最後まで観れば岡野が村木だってことは石井作品ファンであれば誰でも判るが、自分のつまらないこだわりだとは思うけど、やっぱり岡野じゃなくて村木にして欲しかったです。
タイトルの『人が人を愛することのどうしようもなさ』、愛せば愛す程人は破滅に向かって行き、誰にも止める事は出来ない。と解釈しました。
余談ですが、劇中劇の『ブラックバード』のストーリーは、夏川結衣根津甚八主演の『夜がまた来る』が元ネタですね。個人的には石井監督作品ではこの『夜がまた来る』が一番好きです。根津さん、また映画に戻って来て欲しいですなぁ。
人が人を愛することのどうしようもなさ|石井隆の世界