なんちゃって課長日記

社会的入院中の妹を持つきょうだい爺の生活とその周辺

私の優しくない先輩 (2010,日本)


なんばパークスシネマ、スクリーン2で鑑賞。(2回目)
耶麻子(川島海荷)のモノローグでドラマが進行し、現実シーンの途中に数秒の心象風景シーンがインサートされる。そして重要なシーンには長回しが用いられる。これがこの映画の様式美になっています。
心象風景シーンの表現方法はバラエティに富んでいるが、やはりキーになっているのは何度も現れるチープな地球と宇宙遊泳だ。ラストのリアリティのある地球のシーンもこれがあるので対比が効いて来きます。
今回は不破先輩(金田哲)を中心に観ていたのですが、やはり俳優陣の中で演技が抜きでているのはこの人です。 彼が登場する最初のカットのインパクトの大きさは、もちろん綿密に練られた演出も忘れてはいけないが、彼の表情のエネルギーを綿密に練られた演出が功を奏しているように思えます。 もちろんそれだけではなく、微妙なセリフ回しや表情にはそれに相応しい自然な演技を見せてくれます。
それまでは地味で暗い感じの役柄だったせいか、白いサンドレスで崖に立つ喜久子(児玉絹世)をサイドから映しだした身体のラインは、彼女の大人のエロティシズムを隠しきれはしませんでした。 実年齢20歳なので、主役の川島海荷(同16歳)より小さな身体ですが、中身は大人の魅力がギュッと詰まっているのが垣間見えました。
(今回は感想文ではなく批評文にしてみました。)
私の優しくない先輩