なんちゃって課長日記

社会的入院中の妹を持つきょうだい爺の生活とその周辺

お金.一期一会.一万円札を拾わなかった20台男性

妹との面会後、買い物を済ませて家路を歩いていると歩道のど真ん中にお札が落ちているのが見えた。しかし、私の数メートル先には20台の男性が歩いていて彼もそのお札に気付いていたようで、視線ははっきりとその方向を見ていたのだが、立ち止まる事もなく素通りした。私はそんな彼を見て『あれ? お札ではなかったのかな?』と思いながら、立ち止まって路上のそれを拾い上げて広げてみると、特に汚れや書き込みがあるわけでもない、無造作に四つ折りにされたであろう折りぐせのついたただの一万円札だった。
私がその一万円札を手に持って見ていると、彼が振り向いて私を見た。彼は『あんたその一万円札どうするの?』と聞いているように感じたので、私はニコッと笑いながら彼に見えるようにその一万円札をズボンのポケットに入れた。彼は再び前を向いて歩き始め、次の交差点で彼はもう一度振り返り私を見て左へと折れて行った。彼は無表情のままだったが、その唇は『先に見つけたのは僕なのに〜』と動いたように感じた。
それにしても彼は一万円札だと判っていながらどうしてそれを拾わなかったのだろう?

帰宅して生物を冷蔵庫に入れながら、八尾警察署の代表番号に電話を掛け状況を説明して拾得物を引き取りに来てくれるサービスがあるかを聞いてみるが、残念ながら無いとの事。後日でもいいので交番か警察署に届けてくださいと言われる。

母が通所デイサービスから帰って来るまでまだ時間があるので、八尾警察署まで届けに行く。受付で対応してくれた巡査長に落とし物を引き渡して諸々状況を説明して私の連絡先等を届け書的なものに記入。10分ほど待って『拾得物件預り書』という書類を説明され持ち帰る。

森高千里の楽曲『見つけたサイフ』では、『落とし主が現れない場合、半年で警察の方から連絡が入り、落とし物は拾った人の物になる』と唄われているが、現在は『落とし主が現れない場合、3ヶ月で落とし物は拾った人の物になるが、警察からの連絡はなく、その日から2ヶ月間の間に拾った人が自分で警察に落とし主が現れたかどうかを問い合わせなくてはならない』という事になっていた。
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