私が目覚めた時、窓から隣の屋根に雪が積もっているのが見えた。山本氏が言ったように雪が降っている間に逝ったかな、と思い介護室に行くと母の荒い呼吸が聞こえる。
おむつ替えしてみると、パッドに尿は出ていなかっったのだが、便汚染あり。肛門が開いていて便が見えている。昨日午前の訪問看護師による摘便や、寝る前にOS-1ゼリーを多めに飲ませた事に刺激されたのか、大腸が動き出して残っていた便が直腸まで来たのかも知れない。
今日は訪問看護師は18時に来る予定なので、再度摘便してもらうには時間がある。昨日のを見ていた事もあり、母に経験を積むチャンスをもらったという都合の良い解釈で私が摘便してみる。
硬さは柔らかい粘土状で普通、量は昨日よりも多いが、通常量の60%程度。
18時、訪問看護師による腋下での検温で38.0度と分かり、もうすぐである事を告げられる。
昨日とは打って変わって排尿はまったく無く、目を開く事も無かった。ただ、乾いた呼吸音だけが介護室に響き渡ります。
21時以降、痰が絡んでいるようなゴロゴロした音がさせながら、体全体でしんどそうに呼吸している。口腔ケアスポンジ等でゴロゴロの原因を取り除こうとするがダメだった。辛そうな母を見ている事しか出来ないのが辛い。
翌24日
0時2分、呼吸の回数が徐々に少なくなる。私はベッドサイドに座り、ずっと母の手を握りながら見守る。母も私を見つめていた。
0時12分、それまで開いていた目が自然に閉じる。
0時17分、呼吸停止。「大丈夫、大丈夫、はるこさんの人生大丈夫、何も心配ありません」といつもの言葉を母に掛ける。関係者に連絡。
1時07分、医師による死亡確認。令和4年12月24日、老衰。