なんちゃって課長日記

社会的入院中の妹を持つきょうだい爺の生活とその周辺

私の優しくない先輩 (2010,日本)


なんばパークスシネマ、スクリーン2で鑑賞。
年間ベスト候補作品です。
予告編を観た限りでは軽いタッチの学園ラブコメ&アイドルムービーだと思っていたのですが、予想外の重たいテーマでした。
全編が主人公耶麻子(川島海荷)のモノローグで、不破先輩(金田哲)を内心では嫌がったり、大好きな南先輩(入江甚儀)の気を引くために自分より立場の弱い友達の喜久子(児玉絹世)を利用したり蔑んだりと、その自己中心的なダークサイドをイヤと云うほど観せられる。
後半の祭りのシーンからは大林宣彦監督作品を想起させる映像世界で、ここからの耶麻子と不破先輩の急接近していく過程が切なくて胸を打つ。
ラストシーン、暗転してもう一度同じ映像から始まるエンドロールは耶麻子がエンディング・テーマの「MajiでKoiする5秒前」を歌い、共演者達が踊るのを校庭、体育館、再び校庭と移動しながらの長回し! 重苦しい雰囲気のラストから、まるでインド映画のようなダンスシーンで観客が楽しい気持ちで席を立てるようにしたのも素晴らしい。
山本寛監督、見覚えのない名前だったのでググッてみたらテレビアニメの監督で実写映画はこれが初めてだそうです。次回作も期待します。
私の優しくない先輩