なんちゃって課長日記

社会的入院中の妹を持つきょうだい爺の生活とその周辺

レディ・ジョーカー





自宅、WOWOWで鑑賞。

高村薫原作の社会派映画で、被差別部落在日朝鮮人身体障害者、就職差別をはじめとする同和問題と、総会屋を中心とした闇社会、昨今問題となっている格差社会を下地に、企業恐喝事件とその周辺を落ち着いたタッチで描いている。と書くと堅苦しい作品と思われそうだが、それだけではなくエンターテイメント性にも長けた傑作である。

主人公を演じる渡哲也を初めキャストに穴が無く、捜査する切れ者刑事役の徳重聡と犯人側のキレてる刑事役の吉川晃司が芝居が素晴らしい。
長塚京三も演技はもちろん演出(社員食堂で所在なげに座っているとシェフから差し入れされる等)によっても大企業の経営者としての品位と風格の表現が上手い。
他に犯人側は工員の加藤晴彦信用組合職員の吹越満、重度障害者の娘(レディ)を持つ大杉蓮、捜査を指揮するベテラン警部に國村隼、本人は気付いていないが実質的な人質とされる菅野美穂と贅沢な布陣です。
社会的弱者が貧しくとも正しく、成功者は守銭奴で傲慢というチープなステレオタイプになっていない事も映画の成功に繋がっていると思います。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4525



追記、

上の感想をアップした後で、他の人がどんな評価をしているか10人くらいのブログを見てみたのだけれども全員が否定的で、その中でも原作は良かったのに映画はぶちこわし的な内容が半分位だった。 自分が異端であることを『ゴーイングマイウェイだよ〜ん』と強がって見せたいが、俺には選べる人生も感性も無いのですね。